毛づくろいが大好きで、いつも芝生の上にくつろいで座り、
前足をぺろぺろなめて、耳のうしろから額、鼻先までていねいになでつけます。
また座ったまま、片足を高く上げ、胸、お腹から、足先まで舌でなめまわし、最後に耳のうしろを後ろ足でかいたりします。
このかわいい仕草を見ていた人が、「この猫は他の猫にくらべて、毛並みも綺麗だし、賢そうだ」と、田舎の家に連れて帰りました。
田舎の家猫になったアビイは、野原で楽しく過ごしていました。
チョウチョウなど虫たちを捕まえて来ては、家の中でもてあそびます。
「ミャ〜 ニャオ〜ン」と鳴いて、家の人に獲物を見せるのです。
猫には珍しく水が大好きで、そばの小川で水あびをして、びっしょり濡れた体で帰ってきては、家の中を猫の足跡だらけにしていました
そんなやんちゃなアビィは、ある日、大きなネズミを捕まえました。
「ミャ〜 ニャオ〜ン」と鳴いて、目の前に死んだネズミを見せて、家の子供をすっかり怖がらせてしまいました。
そんなとき、訪ねて来た紳士が「ネズミを捕る猫は賢い猫だ。私が貰ってあげよう」と言って、郊外の家に連れて行きました。

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